蔵書点検

メインメニュー → 蔵書点検・非常時貸出 → 蔵書点検

 

 蔵書点検は、資料の所在状況を明らかにする作業です。

 利用者が閲覧した資料を誤った書架に戻したり、カウンターを通さずに資料を返却したり、また、データベースに誤った所在場所が記録されると、データと物(資料)の状態に矛盾が生じてきます。これらの矛盾のある資料を探し出し、訂正するのが蔵書点検の目的です。

 

 

1 蔵書点検の流れ

 サーバ上では、まず蔵書点検を行う範囲(館や棚など)を初期化で設定します。初期化すると対象件数が抽出されます。これが存在するはずの資料(正常資料)です。

 初期化が完了し、正常資料の件数が判明したら、実際に蔵書点検の端末(ハンディターミナル、ハンディスキャナなど)で、バーコードの読み取り(スキャン)を行います。スキャンが完了したら、ファイルを出力します。出力したファイルは全て、CARINにアップロードします。アップロード完了後、データチェックを行います。データチェックを行うと、各種エラー資料が判明します。

 エラー資料への対応はエラーの種類により異なります。詳細は「8 エラー資料への対応」を参照してください。

 

 


2 蔵書点検の範囲を決める(初期化)

初期化は蔵書点検の対象範囲件数を調べるためと、前回のデータをクリアするために行います。

 

() 蔵書点検メニューから「初期化」をクリックしてください〈画面1−@〉。

 

〈画面1 蔵書点検メニュー〉

 

 

() 前回の蔵書点検の範囲が表示されます。新規に蔵書点検を行う場合は、範囲設定〈画面2−@〉をクリックしてください。

 

〈画面2 蔵書点検初期化〉


() 蔵書点検の範囲を指定して、初期化実行〈画面3−@〉をクリックしてください。
範囲を指定しない場合、全ての範囲が点検対象となります。

 

〈画面3 蔵書点検初期化〉

 

 

! 点検範囲

 点検範囲は区分や請求記号などから絞り込みます。場所を指定するには所在区分を、分類別に行う場合は請求記号を範囲に設定します。点検範囲に含まれない資料がスキャンされた場合、データチェック時に誤配架としてエラー検出されます(オンライン蔵書点検の場合、読み取り時に検出することが可能です)。

 

 

! 複数の請求記号の棚を指定するには

 請求の請求記号の棚の指定で、分類番号が連続しない場合は、数回に分けて初期化を行う必要があります。(例:分類460640800の棚 この場合、ファイルを棚別に分けるなどの工夫が必要です。)

 

 


() 初期化が完了したら戻る〈画面4−@〉をクリックして、メニューに戻ってください。
蔵書点検の対象件数が表示されます〈画面5−@〉。

 

〈画面4 蔵書点検初期化〉

 

〈画面5 蔵書点検初期化〉

 

 

3 蔵書点検を実施する

蔵書点検を、次のいずれかの方法で実施します。

 ・オンライン蔵書点検で実施する →3-A

 ・CARIN蔵書点検アプリ上から、バーコードリーダーなどで実施する(後でファイル出力・取り込みが必要です) →3-B

 ・ハンディターミナルで実施する(後でファイル出力・取り込みが必要です) →3-C

 

 

-A オンライン蔵書点検で実施する

 CARINの画面上で、蔵書点検を行います。

 エラー資料をただちに発見できるのがメリットですが、PCCARINに接続した状態で作業する必要があります。詳細は蔵書点検オンラインのページを参照してください。

 


-B CARIN蔵書点検アプリで実施する

 端末がバーコドリーダーなどの場合、付属の蔵書点検アプリ(蔵書点検.exe)上で実施します。詳細は『蔵書点検・非常時貸出 操作説明書』をご覧ください。

※ 『蔵書点検・非常時貸出 操作説明書』は、CARINユーザー会ホームページからダウンロードできます。

 

〈画面6 蔵書点検アプリ〉

 

 

-C ハンディターミナルで実施する

 itecs製、DHT-101PHL-1000に対応しています。製品付属の操作説明書を参照し、txt形式かCSV形式でファイルを出力してください。DAT形式には対応していませんのでご注意ください。

 

 

-D その他

 PDAによる蔵書点検も可能です。詳細は、PDA蔵書点検のページを参照してください。

ラベル番号が蓄積されているテキストファイルなら、基本的にアップロードが可能です。各行にスペースなどが入っていないよう、あらかじめファイルを整形してください。検索のファイル出力などから活用可能です。

 

ファイルフォーマットの注意例

 ラベル番号    ← 見出しはラベル番号として読み込まれる

 00000003B

 

 00000003F_   ← スペースがあると、スペースも含まれる。

 30000003B

 

! 蔵書点検機器の特徴

CARINはさまざまな端末で蔵書点検が可能です。以下、各端末の特徴を説明します。

 

・PDA

 スキャンしたその時に、エラー資料の検出が可能です。またコンパクトなため、場所を選ばずに使用できます。PDAの設定が難しいことと、ペンリーダーの読み取り速度が遅くなりがちなことが難点です。

 

・バーコードリーダー

 カウンターで使用しているバーコドリーダーを使用します。蔵書点検用の機械が必要でないことと、読み取り速度が早いことがメリットですが、近くにPCが必要です。

 

・ハンディターミナル

 PDAより設定が容易です。ファイルを出力するにはPCと接続する必要があります。


4 データをCARINにアップロードする

 オンライン蔵書点検の場合はこのステップは必要ありません。そのまま「6.データチェックする」に進んでください。

 

() アップロードの履歴と蔵書点検の状態(ステータス)が表示されます。

アップロードするファイルを選択する〈画面7−@〉をクリックしてください。

 

〈画面7 蔵書点検アップロードファイル選択〉

 

 

() アップロードするファイルを選択する画面が開きます。

データベースサーバにあるファイルのみ、アップロードが可能です。

ファイルの入力フィールドに、ファイル名を絶対パスで入力してください〈画面8−@〉(サーバがDBサーバの場合のみ参照ボタン〈画面8−A〉から参照できます)。

端末IDを入力して〈画面8−B〉、ファイル一覧に登録する〈画面8−C〉をクリックしてください。

 

※ ファイルは複数指定可能です。複数指定する場合は、2の処理をファイル数だけ繰り返してください。また、ファイルアップロード後も指定可能です。

※ 参照ボタンを押しても、デフォルトではクライアントPCのディレクトリが表示されます。データベースサーバの共有フォルダを指定するには、「\\10.201.21.55」というように、データベースサーバのアドレスを開いてください。

※ データベースサーバがLinuxの場合や、環境によっては共有フォルダを見ることができません。この場合、サーバ上で作業をすることをお勧めします。

 

〈画面8 蔵書点検アップロード実行〉

 

 


() アップロード実行〈画面9−@〉をクリックしてください。

 

〈画面9 蔵書点検アップロード実行〉

 

 

() アップロード件数と、エラー件数が表示されます。戻る〈画面10−@〉をクリックしてください。ファイルのアップロードの完了です。追加でファイルをアップロードする場合は、()の処理を繰り返してください。

 

〈画面10 蔵書点検アップロード実行〉


5 アップロードしたファイルを確認する

 オンライン蔵書点検の場合はこのステップは必要ありません。そのまま「6.データチェックする」に進んでください。

 

アップロード済みのファイルを確認します。

蔵書点検メニューの「アップロードファイル選択」から画面を開いてください。

正常アップロード件数、エラー件数それぞれのリンクをクリックすると〈画面11−@,A〉、アップロード済みのファイルの一覧が表示されます〈画面12,画面13〉。

 

〈画面11 蔵書点検:アップロードファイル選択〉

 

〈画面12 蔵書点検:アップロードデータ詳細〉

 

〈画面13 蔵書点検:アップロードデータ詳細〉

 


  アップロードするファイルの形式

ファイルはタブ区切り形式とCSV形式に対応しています。

 

タブ区切り

・蔵書点検、一括処理

 ラベル番号

 0000000A

 

・非常時貸出

 利用券番号   ラベル番号  貸出日     貸出日付

 C09800902R  00014132E  2004/10/04   10:21:26

 

・非常時返却

 ラベル番号   返却日    返却日付

 00980090D   2004/11/25  22:34:44

 

CSV形式

・蔵書点検、一括処理

 ラベル番号

 0000000A

 

・非常時貸出

 利用券番号,ラベル番号,貸出日,貸出日付

 C09800902R,00014132E,2004/10/04,10:21:26

 

・非常時返却

 ラベル番号,返却日,返却日付

 00980090D,2004/11/25,22:34:44

 

 


6.データチェックする

 蔵書点検の範囲の蔵書とアップロードした(スキャンした)蔵書を照合し、不明資料などの正しくない状態の資料を洗い出します。

 

() データチェック開始〈画面14−@〉をクリックしてください。

 

〈画面14 蔵書点検データチェック〉

 

 

() データチェック処理がバックグラウンドで実行されます。データチェック画面へ〈画面15−@〉をクリックしてください。

 

〈画面15 蔵書点検データチェック〉


() データチェックの処理状態が表示されます。「データチェック処理中」〈画面16−@〉と表示されている場合は、まだ処理が完了していませんので、しばらくお待ちください。更新〈画面16−A〉を押すと、画面が更新されます。

〈画面16 蔵書点検データチェック〉

 

 

〈画面17 蔵書点検データチェック〉

 


! 項目の意味について

蔵書点検の項目、件数、エラー内容の意味は以下の通りです。

 

対象データ件数

蔵書点検の範囲です。範囲は初期化で設定します。

処理館すなわちスタッフがログインしている所在区分1で、配架状態の資料が初期範囲となります。つまり異動や除籍資料は対象に含まれません。ただし、貸出資料や予約資料は含まれます。

この範囲からさらに初期化の蔵書点検対象範囲で絞り込まれます。

 

アップロード件数

アップロードした蔵書点検ファイルの総数で、すなわちスキャンした資料数です。

 

処理状態

プログラムの実行状態です。バックグラウンドでプログラムを実行している場合は「データチェック処理中」と、データチェックが正常に終了しなかった場合は、「データチェック異常終了」または「照合処理異常終了」と表示されます。正確な件数は「データチェック終了」と表示されている場合のみ可能です。

 

在架資料件数

在架の確認された資料です

 

貸出資料件数

蔵書点検の範囲内の資料で、現在貸出中の資料です

 

予約確保資料件数

蔵書点検の範囲内の資料で、予約確保されている資料です

 

回送資料件数

蔵書点検の範囲内の資料で、回送中(移送中)の資料です

 

不明資料件数

蔵書点検の範囲でありながら、読み込まれなかった(見つからなかった)資料です

 

未登録資料

システム(CARIN)に存在しないラベル番号の資料です。

 

対象外(誤配架)

蔵書点検範囲外の資料です。

 

二重登録

データが二重に登録されているか、蔵書点検中に2度読み込まれた可能性のある資料です。

 

発見

異動区分か除籍区分が立っている資料、つまり在架されていないはずの資料です。

 

未返却資料

蔵書点検中に発見された、貸出中の資料です。

 

予約確保資料

蔵書点検中に発見された予約資料で、返却済みで確保されているはずの資料です。


 

-A レポートを出力する

蔵書点検が完了した資料や、エラーが発生した資料の一覧をレポートとして表示します。

出力するレポートを選択してください。レポートの出力方法は、「レポート」のページを参照してください。

 

書架整理リスト          蔵書点検範囲の一覧

返却未処理リスト         貸出中の資料で、蔵書点検時に発見された資料

不明資料リスト          蔵書点検時に、見つからなかった資料(データ上には存在)

発見資料リスト           異動または除籍の資料で、蔵書点検で読み込まれた資料

未登録資料リスト         CARIN上に存在しない(登録されていない)資料

点検対象外リスト         蔵書点検の対象外の資料

予約資料発見リスト        蔵書点検で読み込まれた、予約のかかっている資料

二重登録リスト           ラベル番号が2度読まれた資料、または同じラベル番号の資料が物理的に複数存在する資料。

 


〈画面18 蔵書点検 レポートメニュー〉

 

〈画面19 レポート 書架整理リスト〉


-B 一括処理を行う

 蔵書点検で判明した、不正な状態の蔵書を一括で訂正します。また蔵書点検日を一括で入力します。

蔵書点検メニューから一括処理を開くと行える処理の一覧が表示されます〈画面20〉。

 

() 行う処理をクリックしてください。

 

一括不明処理                 不明資料を一括で不明にします(異動区分を蔵点不明に)。

一括除籍処理                 不明資料で一定期間が過ぎたものを、一括で除籍にします(除籍区分を除籍に)。

一括誤配置処理                蔵書がデータとは異なる場所で発見された場合、データを発見した場所に変更します。場所は初期化で指定した所在区分、またはPDAの範囲設定で指定した所在区分に変更されます。

一括返却処理                 貸出し中の資料が発見された場合、全て返却とします。

蔵書点検日設定                蔵書点検日を一括で入力します。

 

〈画面20 蔵書点検一括処理 メニュー〉

 

 

() 各メニューでは画面の指示に従い、必要な変更値を入力してください〈画面21〉。

 

〈画面21 一括不明処理〉


() 一括処理を実行すると、正常件数とエラー件数が表示されます。戻る〈画面22−@〉をクリックしてください。

〈画面22 蔵書点検 一括不明処理〉

 

 

() エラーの一覧が表示されます〈画面23−@〉。このステップで一括処理の完了です。

 

〈画面23 蔵書点検 一括不明処理〉


8 エラー資料への対応について

データチェックで判明したエラーについて、以下に挙げられるような対応が考えられます。参考としてご覧ください。

 

-1 不明資料への対応

不明資料は蔵書点検の範囲でありながら、読み込まれなかった(見つからなかった)資料です。原因として、以下のケースが考えられます。

A 読み忘れている

→読み忘れの棚があれば、その棚をスキャンし、ファイルを追加アップロードして、データチェックを再実行してください。

B 配架場所が間違っている

→対象外資料として検出されている場合があります。ただし、蔵書点検の範囲外の棚にある場合は、対象外資料として検出されません。

D 本当に存在しない

→A,Bいずれも該当しない場合は、本当に存在しない可能性が高いと思われます。

 

-2 未登録資料への対応

システム(CARIN)に存在しないラベル番号の資料です。原因として、以下のケースが考えられます。

A 消耗品など、あえてシステムに登録していない資料を誤って読み込んだ場合

B ラベル番号のフォーマット変換を行っている場合

→デフォルトではラベル番号の変換は行いません。弊社担当にご確認ください。

C Excelで加工されていたり、スタートビットやストップビットが付加されていたり、チェックデジットが抜けていたりして、CARINに登録されているラベル番号と食い違う場合

→蔵書点検ファイルを開いて、ラベル番号がおかしく読み込まれていないか確認してください。

→資料と、蔵書点検ファイルと、CARINのラベル番号を見比べてください。蔵書点検ファイルのチェックデジットが抜けている場合、蔵書点検ファイルにチェックデジットを振りなおす必要があります。

E 本当に未登録



-3 対象外資料への対応

対象外資料は蔵書点検範囲外の資料ですが、。

・初期化の範囲設定に誤りがある

・読み取る棚を間違えた

・対象外資料である

→初期化の範囲が正しく読み取った棚が正しければ、

CARINのデータが正しければ資料を正しい所在場所に配置してください。

一括処理を行うと、CARINの蔵書データの値が変更されます。

 

-4 二重登録資料

CARINでは二重登録の検出を、ファイルアップロードと、データチェックの二段階で検出します。

同一のファイル、つまり一人の担当者がスキャンした範囲(棚)に同じラベル番号があれば、二重スキャンエラーとしてファイルアップロード時に検出されます。異なるファイルで同じラベル番号があれば、データチェック時に二重登録資料として検出されます。二重スキャンエラーと二重登録エラーの違いは、ひとつのファイルか(グループでアップロードした場合は1グループ)、複数のファイルかということです。

 

→同一のファイルを読み込んでいないか、複数の担当者が同じ棚を読んでいないか、蔵書点検期間中に資料が移動していないか調べます。これらにも該当しない場合は、二重登録資料の可能性があります。

 

-5 発見資料

発見資料は異動区分か除籍区分が立っている資料、つまり在架されていないはずの資料です。

CARINの登録データが誤っていれば、異動区分または除籍区分を削除します。