「本を探しているのに見つからない」。
このような経験をしたことはないでしょうか?
図書館に設置しているパソコンの「OPAC」を使用することで、資料への到達がグンと早くなります。
このマニュアルでは基本的なOPACの使い方を、分かりやすく説明しています。機能の詳細は「検索」のマニュアルをご覧ください。
OPACとは?
Online Public Access Catalog (オンライン目録)の略称です。
その図書館が探している資料を所蔵しているか、所蔵しているならどこにあるのかといった情報を、データベースに持っています。目録情報のほかタイトルや著者名などの書誌情報も持っていますので、これらをキーワードなどで検索して、探している資料を特定することができます。
資料を管理するため、図書館の資料にはいろいろな番号が貼られています。
請求記号とは?
本の背に貼り付けされている記号を、請求記号と呼びます。図書館では、本や雑誌などの資料は請求記号の順番に並べられています。請求記号は分野・著者でグループ分けされていますので、利用者は請求記号を辿ることにより、資料へのアプローチがしやすくなります。
請求記号は、おおむね3段から4段に分かれており、分類記号、著者記号、巻次等の順に記されています。
分類記号とは?
資料の主題やテーマに沿ってグループ分けして、それに番号や記号をつけてあらわしたものです。番号の体系は分類表の種類によりますが、おおむね000から999まで3桁の数字の十進分類で表記されています(例:日本十進分類法NDC8)。番号の前後に付くアルファベットは別置記号と呼ばれるもので、図書館独自のものです。
例:764 器楽合奏
764.1 器楽編成法
764.2 室内楽
著者記号とは?
同じ分類の中で、著者順に並べるためのものです。
著者記号は著者の頭文字(1〜3文字)とその著者の連番で表され、同じ分類番号ならその連番によって表されます。著者記号を見ることで、同じ著者の文献を辿ることができます。
巻次等とは?
資料がシリーズの中のひとつであったり、上・下巻などで構成されている場合は、ここで表されます。
特に存在しない場合は空欄になっています。
! 棚での資料の並び方
資料は請求記号順に並んでいます。棚板ごとに左から右へ、上から下へ並んでいます。
書架
OPACの検索条件入力には、簡単検索と高機能検索の2種類の画面があります。
簡単検索はキーワードのみのシンプルな検索です。高機能検索は、資料の種類やキーワードを複数の書誌の項目から選べるなど、高機能になっています。
高機能検索
簡単検索
ここでは簡単検索で、土方定一著の『日本の近代美術』という資料を探してみます。
(1) 検索キーワードに「日本の近代美術」と入力して、検索開始のボタンを押して、検索を実行します。
※ キーワードをスペースで区切るとAND検索になります。クオテーションで囲むと、フレーズ検索になります。詳細は「検索条件式」のマニュアルをご覧ください。
(2) 資料が見つかりました。
これを見ると、資料が本館にあり、請求記号が702.16/H1ということが分かります。
(3) 一覧のタイトルをクリックすると、書誌の詳細が表示されます。
以上が基本的な検索の流れです。
図書館の資料は、資料形態や言語など、ジャンルや種類で分類されています。例えば、日本語資料だと言語の区分が日本語になります。これらの区分を正確に絞り込むことで、目的の資料に早く辿り着くことができます。
ここでは高機能検索で、「ペンギン」というキーワードをタイトルに持つ、日本語の資料を検索してみます。
(1) 検索対象フィールドの、「日本語」にチェックを入れ、検索語のプルダウンから「タイトル」を選択し、右横の入力フィールドに「ペンギン」と入力します。
検索対象フィールドが隠れている場合は、検索対象表示をクリックしてください。
(2) 『ペンギンランドスケープ』という資料が見つかりました。
! 区分の中の掛け合わせ検索
区分が複数チェックされている場合、これらの区分をANDかORで掛け合わせることができます。
掛け合わせ検索の詳細は、「検索条件式」のマニュアルをご覧ください。
ここでは高機能検索で、『図書館雑誌』というタイトルの雑誌を探してみます。
(1) 検索対象の「雑誌マスター」にチェックを入れて、検索項目のプルダウンから「タイトル」を選択し、キーワードに「図書館雑誌」と入力します。検索開始ボタンをクリックすると、検索を開始します。
検索対象の「雑誌」は、図書館によって名称が異なります。「雑誌」で表す図書館もありますし、「雑誌マスタ」「雑誌カレント」で表す図書館もあります。マスタとはタイトル(例:『キネマ旬報』)、カレントとは、巻です(例:1月号)。
(2) 『図書館雑誌』という雑誌が2件ヒットしました。
日本図書館協会を見ると、この資料は現在刊行中の月刊誌で、この図書館(本館)には96巻の5号から9号、2002年度分の所蔵があることが分かります。「継続」とありますので、現在も図書館が最新号を受け入れ続けていることが分かります。
(3) 検索結果一覧から、日本図書館協会の『図書館雑誌』の巻号一覧をクリックすると、カレント(雑誌1冊)単位で確認できます。96(5-8)[942-945]は製本(雑誌がまとまった状態)です。製本された(束ねられた)カレントには、「製本中」と表示されています。
以上が雑誌検索の流れです。